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ウェビナー記事 2021.04.13

プロフェッショナル人材のノウハウ伝授 第2話:令和時代の新規事業立ち上げ術

近年、既存事業に大転換を起こすような、新規事業の立ち上げに多くの企業がチャレンジしている。社会課題が多くある中で、どのようなポイントをもとに新規事業立ち上げに臨むべきなのか。弊社にて、最先端を走る新規事業担当者・イントレプレナー5名をお招きし、「令和時代の新規事業の立ち上げ方~現役イントレプレナー4名が語る新規事業推進の仕組みと求められる人材像~」オンラインセミナーを開催した。

 

新規事業立案の為のノウハウ伝授

 

今回ご登壇いただいた方は下記の5名だ。

■ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ マネジャー: 野島 祐樹 氏

■NEC コーポレート事業開発本部 AgriTech事業開発室CropScope事業開発担当: 渡辺 周 氏

■株式会社ブリヂストン 先端技術推進本部 革新技術推進室: 山口 真広 氏

■株式会社LIFULL 地方創生推進部 LivingAnywhere Commons事業責任者   
   株式会社LIFULL ArchiTech 代表取締役社長: 小池 克典 氏

■株式会社ZeniQ Founder & CEO: 後藤 正宏 氏(ファシリテーター)

 

まず、登壇者それぞれの新規事業立ち上げにおける取り組みについてお伺いした。

 

大手企業での新規事業の立ち上げにおける特徴

 

新規事業立ち上げの戦略会議

 

新規事業の立ち上げ方や進め方は、企業によって様々だが、今回は大手企業における新規事業推進の特徴について、登壇者にお伺いした。

 

まず、新規事業立ち上げを担当する人材については、社内公募によって集めているケースがよく見られる。応募する人材の特徴は、“優等生”ではなく“ちょっと変わっている人”である傾向が強いようだ。新規事業担当者のリアルな声として、他の事業部からの風当たりが強い立ち位置、という意見もあった。だが、そのような風当たりを気にせずに新規事業の立ち上げに集中でき、自らの意志を持って参画できる人材が適しているという。

 

こういった新規事業への応募制度は増えてきているようだ。企画書1枚の提出のみで応募が可能など、かなり低くハードルが設定されているケースも多く、年間応募総数が100件を超えているケースも見受けられるという。既存事業に捉われない事業を創るために、組織的にボトムアップ型で立ち上げる必要性が社会的に浸透し始めた。だからこそ、全社員が新規事業立ち上げに関わる機会を設けている企業が増えてきているのだろう。

 

また、新規事業立ち上げの判断基準については、明確に設けられていない場合が意外と多いとのことだ。もちろん、提案された新規事業を実際に推進するか判断するための基準を企業内に設ける必要があるが、新規事業のため社内のリソースや知見も充分ではない場合が多い。そこで、外部の専門家にアドバイスを求めたり、外部に情報を取りにいったりするというアクションが必要になる。

 

新規事業の専門家を探す

 

新規事業立ち上げにおいては、最初のフェーズで気軽にアイデアを集め、フェーズが進むにつれて外部リソースや社内リソースを上手く使って拡大させていく、といったスキームになっているようだ。

新規事業立ち上げに向いている人材特性とは

それでは新規事業立ち上げにおいて、どのような人材が新規事業の担当者として適切なのだろうか。今回は、4名の新規事業担当者に行動特性テストを受けていただいた。このテストは、株式会社ZeniQ CEO後藤正宏氏が打ち出している科学的なプロフェッショナルアセスメントである。データ(n = 40万人)を活用し、心内知性(自己認識力・ストレス耐性・メンタル力)、対人知性(対人認識・人間関係構築力)、社会知性(組織力・リーダーシップ力)等、27の行動特性を計測した。

新規事業担当者の人材特性

例えば、イノベーションを起こし続けるGoogleでは、新規事業立ち上げ担当者に求められる素質は内的知性(CEOにとって高いEQエモーショナルインテリジェンス等)だとしている。

登壇者の行動特性を分析すると、共通項としてビジョン構築力、達成意欲、コミットメント力、チャレンジ力が飛び抜けて高いことが分かった。一方、対人問題解決力の特性は低い傾向がみられる。

 

対人問題解決力が低い事に対して、各登壇者からは、

「同じ意思を持つ人と事業を展開していて、ベースとして『やりたい』という思いが強い人材が集まっているので、対人問題を解決しようとはしていないのかもしれないですね。」(小池)

「自分のやりたい事業を進めるにあたって、人の反応を見ながら探っているものの、周りの意見は気にしない、と意識しています。」(野島) 

「新規事業立ち上げ、という共通ミッションがあり、人と問題を起こすことがないので、解決する必要がないのかもしれませんね。」(渡辺)

などと、ポジティブな意見が寄せられた。

 

上記の結果によると、新規事業立ち上げ時に、決まったフレームワーク通りに立ち上げた例は少なく、ビジョンやその事業に対する熱意・ポジティブさ・チャレンジ精神が最も重要な特性であると分析できる。また、登壇者からも同様に、「年齢関係なくポジティブで成長志向が強い」「常に何かを学び続ける姿勢」「人からの評価を気にしない」「成功を求めず、自分の正解を求める」といった特性を持つ人材が適している、といった意見が挙げられた。

新規事業を立ち上げる人材を社内から抜擢する場合は、上記のような特性ある人材をアサインしてみてはいかがだろうか。

 

>>弊社では、新規事業立ち上げのプロフェッショナルやイントレプレナーに多数ご登録いただいており、支援事例も多くございますので、是非下記よりお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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登壇者紹介

■野島 祐樹 氏

野島氏はANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボのマネジャー。デジタル・デザイン・ラボはイノベーション創出のため新しいことに挑戦し続ける「治外法権的」な部署として、2016年4月に創設された。

野島氏は地方関連事業が多くシェアリングエコノミー、ワーケーション、人の移動に関する事業を展開している。デジタル・デザイン・ラボでは、1、経営理念を体現させること 2、やったことない世界初、日本初、エアライン初を目指すこと 3、情熱を持って取り組み続けられること、この3つのルールさえ守っていれば、新規事業立ち上げにおいては個人の裁量で自由を進めることができるそうだ。

「ANAの特徴として、社内に技術や、R&DやCVC、アクセラレータープログラムがないので、外部のスタートアップやオープンイノベーションと接触して、協業イノベーションを起こす必要がある、ということが挙げられます。ロケットが放物線上に飛び始めたら飛行機はいらないかもしれない、ドローンに乗ったら飛行機はいらないかもしれない、など様々な可能性を考慮したうえで、なくなるのであれば何にとって代われるかを構想しています。」(野島氏)

 

■渡辺 周 氏

続いて、渡辺氏はNEC(日本電気株式会社)のコーポレート事業開発本部 AgriTech事業開発室CropScope事業開発担当。専門は、農業領域であり、日本、海外に展開する農業ICTを担当している。10年間キャノンにて、半導体製造装置の設計や海外営業に従事してきたことから、テクノロジー活用により農業の生産性を上げたい思いがあり、昨年まで農業ベンチャーに参画し、個人でも農業経営支援を行っているという。

「大企業では、コア技術や優秀な人材を外部に出さず、経営コントロールをしたいという傾向がありがちですが、我々はそのような制約をNGとするポリシーでいるので、技術や人材が外に出て行くこともあります。」(渡辺)

コーポレート事業開発本部では、社内だけではなく、外部のジョイントベンチャー等とも連携することで、新規事業を立ち上げやすいような仕組みを作り、未知の領域にチャレンジしているようだ。

 

■小池 克典 氏

小池氏は、株式会社LIFULLの地方創生推進部、LivingAnywhere Commons事業責任者として、LIFULLの新規事業を担当している。他にも自身で子会社の代表の兼務や、出資先の経営支援など複数のプロジェクトを立ち上げている。

「経営理念に基づいた事業活動≒あらゆる社会課題に取り組む、という考えのもと、社会課題解決をセンターラインに置き、まず、公益志本主義であるということを大切にしています。」と小池氏は語る。

ちなみにLIFULLには2006年から「SWITCH」という社内の新規事業提案制度もあり、年間100件以上応募がある。アイデアレベルでも受け入れ、すでに多くの新規事業・子会社がここから生まれているそうだ。

 

■山口 真広 氏

山口氏は、前職の住友化学株式会社にて、アフリカのマラリア制圧事業を担当しており、アジアの新規市場開拓を推進していた。現在は、株式会社ブリヂストン 先端技術推進本部 革新技術推進室にて新規事業立ち上げを担当。「前職で挑んだ公衆衛生に加え、現職では、気候変動という新しい社会課題、新たなチャレンジに出会えてよかったと思っています」と語る。さらに山口氏は、社内の有志メンバーとサステナブルなタイヤの開発に向けた活動に携わったり、個人でも蚊に関する新規事業を支援したりと活動を広げており、様々な事業創出に従事している。

 

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