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経営課題 2020.06.29

資金繰り悪化による倒産、廃業を防ぐための助成金、補助金活用

2020年1月に東京商工リサーチが発表した、2019年「休廃業・解散企業」動向調査。これによると、2019年に休廃業・解散した企業は4万3,348件、倒産した企業は8,383件です。業歴別で見ると、10年未満で2019年に休廃業・解散しているのは27.4%と全体の約4分の1以上という結果が出ていました。

一方、東京商工リサーチによる2020年2月から6月8日までの新型コロナウイルス感染症関連の経営破綻状況調査によると、新型コロナウイルス感染症の影響による倒産数は、2月が2件、3月は23件、4月が84件、5月は83件、6月は8日(午前11時時点)までですでに29件となっています。同調査では、こうした経営破綻について、「もともと人手不足や消費増税、暖冬などで経営が厳しかった企業が大半だが、新型コロナ感染拡大による想定外の急激な売上激減で資金繰りに行き詰まったケースが多い」としています。そこで、今回は資金繰りが悪くなった際の助けとなる助成金、補助金についてお伝えします。

※今回、紹介する助成金、補助金の概要、支給額はすべて2020年6月10日時点のものです。

資金繰り悪化時の助けとなる助成金1-雇用調整助成金の特例措置-

資金繰り悪化時の助けとなる助成金の1つが、雇用調整助成金です。これは、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得なくなった際に利用できるものです。具体的には事業主が労働者に対し、一時的に休業、教育訓練もしくは出向を行うことで、労働者の雇用を維持した場合、休業手当、賃金等の一部が国から助成されます。

この雇用調整助成金については、今回、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主を対象に4月1日~9月30日を緊急対応期間として特例措置が実施されています。通常時の雇用調整助成金との主な違いは次のとおりです。

 

※詳しくは「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)」をご確認ください。

資金繰り悪化時の助けとなる助成金2-小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援-

新型コロナウイルス感染症の影響は従業員の感染防止を目的とする企業の休業以外に、従業員の子どもが通う学校の臨時休業にまで及びます。学校が臨時休業となって、小学校低学年の子どもが自宅にいるようになれば、その保護者も仕事を休まざるをえなくなります。

そこで、学校の臨時休業によって仕事を休み、所得が減少してしまう労働者への対策として、正規雇用、非正規雇用にかかわらず、有給休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対する助成金が創設されました。それが、小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援です。

対象となる事業主は、令和2年2月27日から9月30日までの間に、以下の①②の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主です。

  • 新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども
  • 新型コロナウイルス感染症に感染した子どもなど、小学校等を休む必要がある(※)子ども

(※)学校の場合は、学校長が出席を停止し、または出席しなくてもよいと認めた場合をいいます。助成金の支給額は、休暇中に支払った賃金相当額の満額で、令和2年2月27日から3月31日までの休暇分については日額上限額が8,330円、令和2年4月1日以降に取得した休暇分については、日額上限額が15,000円です。また、対象となる期間は令和2年2月27日から9月30日の間に取得した休暇ですが、申請期間は令和2年12月28日までです。

※詳しくは「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設しました」をご確認ください。

資金繰り悪化時の助けとなる補助金-持続化補助-

小規模事業者持続化補助金(一般型)は、通常時、小規模事業者向けに販路開拓等の取組を支援する補助金ですが、今回、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるために行う販路開拓等の取組に対し、「コロナ特別対応型」が用意されています。一般型との違いは次のとおりです。

※上記に「事業再開枠」等の枠を追加して申請可能。

【コロナ特別対応型の申請要件】 補助対象経費の1/6以上が、以下のいずれかの要件に合致する投資であること。

・類型A:サプライチェーンの毀損への対応(顧客への製品供給を継続するのに必要な設備投資や製品の開発を行うこと)

・類型B:非対面型ビジネスモデルへの転換(非対面や遠隔でサービスを提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと)

・類型C:テレワーク環境の整備(従業員がテレワークを実践できるような環境整備を行うこと)

特例として、売上高が前年同月比で20%以上減少した小規模事業者で、補助金の早期受領を希望する場合、補助金交付決定と同時に概算払いにより、交付決定額の1/2を即時に支給してもらえます。

ただし、公募スケジュールが決まっていて、公募の締め切りは、3次(8月7日必着)、4次(10月2日必着)です。

※詳しくは「小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)」をご確認ください。

上記以外の助成金、補助金

ここまで紹介したもの以外でも、新型コロナウイルス感染症の影響による資金繰りの助けとなる、助成金、補助金があります。

  • IT導入補助金 特別枠(C類型)

企業がITを導入する際にかかる費用を補助するIT導入補助金があります。今回、特別枠(C型)として、テレワーク環境の整備や非対面型ビジネスモデルへの転換、サプライチェーンの毀損への対応など新型コロナウイルス感染症の影響への対策、感染症の拡大防止に取り組む事業者向けに創設されました。

基本的には中小企業・小規模事業者等が対象で、業種によって資本金、従業員数など細かい条件があります。支給額は30~450万円です。補助率はC類型-1が2/3以内、C類型-2が3/4です。

※C類型-1は、サプライチェーンの毀損への対応のみ導入するもので、 C類型-2は「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のどちらか1つ以上を導入するものです。

※詳細は「IT導入補助金 特別枠(C類型)」をご確認ください。

資金繰り悪化から抜け出すには実績豊富な外部人材の活用がポイント

直接的にしろ、間接的にしろ、新型コロナウイルス感染症の影響によって資金繰りが悪化する企業は今後さらに増加するでしょう。自社は問題ないと思っていても、取引先や関連企業の倒産によって連鎖的に資金繰りが悪化する可能性もあります。

そこで、重要となるのが、早めの段階での資金繰り悪化対策です。今回、紹介した助成金や補助金は実際に影響が出てからのもので、もちろんこれも重要な対策です。しかし、それと同時に将来的なリスクに備えた対策を事前に行っておかなければ、いざという時に資金がショートしてしまい、事業の継続が困難になります。

資金繰り悪化対策としての助成金や補助金利用は、少しでも早く申請、受給する必要があるため、スピードが重要です。そのため、助成金や補助金の申請をしたことのない内部人材よりも、他事例の実務を担っており最新情報にも精通した実績豊富な外部人材を顧問として抱えたほうが、迅速な対応が可能になります。資金繰り悪化対策を早めに進めるためにも外部人材の活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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