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組織人事課題 2020.06.01

リモートで人材管理はできるのか?テレワークで変化する人材マネジメント

新型コロナウイルスの影響で、日本ではテレワークの普及が進んでいます。業務効率がアップすることはメリットですが、それとともに今までになかった課題が浮上するケースがあります。例えば、「リモートワークでどのように業務におけるマネジメントを行うか」もその一つ。今回は、テレワークにおけるマネジメント方法を紹介します。

新型コロナをきっかけとして働き方が変化

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が出された2020年4月7日からの4日間に実施されたNTTコムリサーチのクローズド調査(「緊急調査:パンデミック(新型コロナウイルス対策)と働き方に関する調査」)において、企業の新型コロナウイルス対策や業務への影響、テレワーク/リモートワークへの取り組み状況やその課題の確認などが行われました。

同調査によれば、日本のテレワークは2020年1月までと比較して2倍以上と急増しています。とはいえ、完全在宅勤務を実施している企業は約1割、時間差出勤を許可または奨励している企業は1/3程度にとどまっており、完全にリモート環境で働ける企業は、まだまだ高い割合ではありません。それでも、テレワークに取り組んでいる企業は全体の約4割に達し、増加傾向にあります。

2020年2月以降は、テレワークに取り組んでいる企業が全国平均で6.5%以上増加しています。また、いま現在はテレワークに取り組んでいない企業において「利用してみたい」と考える従業員は3割以上にのぼっています。業種によってはそもそもテレワークができない仕事も多くありますが、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、働き方に変化が生まれているのは確かなようです。

テレワークにおけるマネジメント

着実にテレワークが普及するにつれ、仕事の仕方も変化していきます。ここではテレワークにおけるマネジメントに焦点を絞り、どのように働き方を変えていくべきかをご紹介します。直接部下とのコミュニケーションが取れないリモートの状況において、どのようにマネジメントを行っていけばいいのでしょうか。

ビジネスにおけるマネジメントは、主に2つあります。1つは業務のマネジメントです。進行しているプロジェクトが計画通りに進んでいるかを確認するために、プロジェクトの進捗管理や各メンバーの役割を管理します。もう1つは、部下のマネジメントです。チーム全体の状況を俯瞰的に把握し、メンバーが予定通りにタスクをこなしているかを確認して、場合によってはフォローを入れます。 このようなマネジメント業務をテレワークではどのように行えばいいのでしょうか。

テレワークのマネジメントの特徴として、ITツールを用いた遠隔のコミュニケーションが主流になることが挙げられます。ですから、リモートワークを可能するITツールを使いこなすことが必要です。例えば、Web会議ではデバイスで動画や資料を共有しながら会議を進行します。その時に、操作方法が分からない、回線が不安定といった状況では会議を円滑に行うことは難しいです。メンバーがそうしたツールを使う際にとまどうことがないよう、事前に分かりやすい操作マニュアルを配布したり、使用上のポイントをメールや情報共有ツールで知らせたりしておくなどの配慮を行いましょう。

業務のマネジメントにおいては、時間管理ツールやビジネスチャットツールを用いるのが一般的です。パソコンのログを記録してメンバーの勤務時間をログ管理するなど、チーム全体のマネジメントにITツールが欠かせません。スケジュールやガントチャートをチーム内で共有することによって、プロジェクトの進捗状況に関して共通認識を持つことができます。 

部下のマネジメントにおいてもITツールは必須です。始業終業の報告、在籍や離席の連絡はツールを使えば簡単に行うことができます。チャットツールや社内SNSを使えば、 報告・連絡・相談の情報共有は問題なく行えるでしょう。電子メールや紙媒体に比べて利便性が高く、業務改善にも役立ちます。テレワークの推進をきっかけに、コミニュケーションツールを刷新することで働き方改革も進みます。

 ITツールは便利ですが、ひとつ気をつけたいことにセキュリティの問題があります。家のネット環境では、オフィスに比べて情報漏洩のリスクが高まります。社員が在宅時に利用しているデバイスはオフィスで使うものに比べて、統括的に管理しづらいので注意が必要です。業務で用いるデバイスと個人のデバイスを明確に切り分けるなど、基本的な対策を徹底しましょう。

テレワークにおけるマネジメントの課題

テレワークにおける働き方に慣れてくると、今度はテレワーク特有の課題が浮上してきます。 例えば、オフィス勤務に比べて、上司は部下がどのような働き方をしているかを把握しづらい状況です。仕事の様子を見に行くことはできず、チャットツールを利用していても限界があります。 このような場合は、そもそも上司は部下に対して干渉しすぎてはいけないという考え方を受け入れる必要があります。便利な管理ツールがあるからと言って、部下の仕事を監視しすぎるのは逆効果でしょう。信頼関係の欠如にもつながります。

マネジメントにおいては「上司が見ていなければ社員はサボる」というような性悪説に立った考え方があります。しかし、このような考え方では上司・部下共に円滑に仕事をしていくことは難しいでしょう。性善説に立った上司と部下の信頼関係が重要になっていきます。部下にある程度の裁量権を与え、自主的に仕事に取り組んでもらうにはどうすればいいかを考えましょう。

具体的なマネジメント方法として、部下にタスクを割り当てるときは期限を設定し、成果物としてアウトプットをしてもらう方法があります。 例えば、 Web会議用の資料作りを部下に頼みます。 締め切りを設定し、成果物を確認できる状態にすれば、部下の仕事ぶりを把握することができます。これは資料作りに限らず、アウトプットでタスクの完了を可視化することは、あらゆる業務において応用できます。

ある会社ではテレワークの導入に合わせて、テレワークでの朝礼、夕礼を取り入れています。在宅勤務では、どうしても社員同士のコミュニケーションが減りますので、自動的にコミュニケーションが増えるようなシステムを取り入れる施策です。「今日はどんな仕事をしようとしているのか」「どんなペースで仕事をしているのか」「どんな成果が出ているのか」など、ミーティングでのコミュニケーションを通してマネジメントを行っていきます。

これはただ単に業務としてのミーティングではなく、テレワークにおける孤独感やストレスを軽減させる狙いもあります。在宅勤務ではどうしても部屋にこもりがちになってしまいます。他者とコミュニケーションを取ること自体が気晴らしや気分転換になるので、一石二鳥と言えるでしょう。

ちなみに、本当に部下が仕事をしているかどうかを確認するツールもあります。例えば、従業員が使うパソコンにアプリをダウンロードしておきます。そのアプリはランダムのタイミングでパソコンのスクリーンショットを送信する機能が付いています。上司は部下のパソコン画面を把握することによって、部下がサボっていないかを確認することができます。ただし、上述のように、部下への過剰な監視は人間関係を悪化させる可能性があります。利用する場合は、部下に承諾を得てほどほどにしましょう。

テレワークが日本の働き方を変える

ビッグローブが新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を行っている男女を対象に実施した「在宅勤務に関する意識調査」によれば、8割強の人が今後日本にテレワークが定着すると考えています。

「新型コロナウイルスの流行を機に日本企業に在宅勤務などのリモートワークが定着すると思うか」という問いに対する回答:

・「定着すると思う」19.1%

・「一部では定着すると思う」64.8%

・「ほとんど定着しないと思う」12.7%

・「定着しないと思う」3.4%

今後は、変化する働き方のなかで、いかに人材をマネジメントしていくかが課題になるでしょう。専門家や外部人材の登用も視野に入れ、職場環境の変化に対応していきましょう。

 

参考:

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