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組織人事課題 2020.03.12

意思決定のスピードを上げ、社員の主体性向上を実現するホラクラシー経営とは?

特に若い経営者やスタートアップ企業で導入が進んでいる経営手法の1つ、「ホラクラシー」。海外では以前から導入している企業がありましたが、日本でも最近になって注目を集めるようになっています。企業としての意思決定スピードを上げることで業務効率化や社員の主体性向上に効果を発揮する一方で、リスク管理や社員のマネジメントが難しくなるというデメリットもある手法です。今回は、そもそも、ホラクラシー経営とはどういったものなのかを、その概要やメリットとデメリット、成功させるためのポイントを交えながらお伝えします。

ホラクラシー経営は上下関係のないフラットな組織をつくる

企業の組織形態は階層型(ヒエラルキー)が一般的です。社長を頂点とし、専務、常務、部長とピラミッド型の階級的組織形態であり、現在においても多くの企業がこの組織形態で経営を行っています。これに対し、ホラクラシーは、2007年にアメリカの起業家、ブライアン・J・ロバートソン氏が提唱した経営手法で、分散型もしくは非階層型の組織形態です。組織のなかに上下関係をつくらず、フラットな状態で社員全員が主体性を持ち、意思決定をしながらそれぞれの役割を果たして行くものです。

ホラクラシー経営が注目されるようになった背景として、従来の組織形態では、市場環境が変化するスピードに追いつけなくなる可能性があることが挙げられます。IT技術が進化したことで、モバイルワークや在宅勤務、サテライトオフィスでの仕事が可能になるなど、働き方の多様化が実現しつつあります。しかし、働き方だけが多様化しても、組織が従来のままであれば、急速に進化する時代についていくことは困難です。

特に多くの業種で製品、サービスのコモディティ化が進んでいる今、意思決定のスピードを上げ、先行者優位の立場に立つことが企業として非常に重要となっています。そうしたなか、社員一人ひとりに主体性を持たせ、状況に応じて社員に意思決定の権限を与えることで、変化のスピードに対応させられるホラクラシー経営が、大きな注目を集めるようになってきたのです。

ホラクラシー経営を導入することのメリットとデメリット

ホラクラシー経営は、これまでにない新たな組織形態でさまざまなメリットを生み出しますが、反面、デメリットも存在します。ここではその両面からホラクラシー経営をさらに深掘りしていきます。

ホラクラシー経営を導入することのメリット

  • 意思決定のスピードが向上する

企業として何かの意思を決定する際、従来であれば、上司への確認、経営層の承認といった段階が必須でした。しかし、ホラクラシー経営であれば、そうした段階はありません。チームのなかで意思決定を行い、そのなかでそれぞれが自身の役割を果たすだけであるため、意思決定のスピードはもちろん、そこから実行に移すスピードも向上可能です。

  • 社員一人ひとりの主体性が向上する

従来の組織形態では、決められたことに対し積極的に行動する自主性を向上させることは可能です。しかし、何をすべきか決められていないことを自身の意思で決断、行動をするという主体性を向上させることは困難でした。しかし、ホラクラシー経営は、常に自分で考え、責任を持って行動することが求められるため、自ずと主体性が向上します。

また、勤続年数にかかわらず、意思決定のプロセスに参加できるため、当事者意識が高まり、結果として社会人としての成長を早める効果も期待できます。

  • 業務効率化が実現する

階級がなくフラットな関係性のなかで業務を行うため、マネジメントの手間が軽減します。また、日々の業務もチーム内でのコミュニケーションのなかで共有していくことで、改めて日報を提出する手間はなくなり、結果として多くの業務の削減、効率化が実現します。

  • 社内の透明性が高まる

経営層だけが意思決定権を持つ従来の組織においては、意思決定に必要な情報は経営層だけが持っているというケースが一般的でした。しかし、ホラクラシー経営の場合、社員全員が意思決定権を持つため、基本的に社内の情報はすべてオープンにしなければなりません。その結果、情報格差がなくなることで不正や情報の隠ぺいが難しくなり、社内の透明性が高まります。

  • プロジェクトに応じて柔軟に組織を変えられる

新しいプロジェクトを行う際、部署を基本としてチームをつくるのではなく、人を基本としてチームをつくるため、柔軟なチーム編成が可能です。また、社内の財務状況もオープンにするため、企業によっては、必要に応じて新たな人材採用を予算内で自由に行っているケースもあります。

ホラクラシー経営を導入することのデメリット

  • 社員全員が主体性を持たないと業務が滞ってしまう場合がある

社員全員が主体性を持つことで業務を進めていくことが基本のため、指示がないと動かないタイプの社員がいると業務スピードが落ちてしまいます。

  • 業務の進捗状況を把握することが難しくなる場合がある

日報の提出や、進捗状況を確認するためのミーティングといったものがないため、チーム内でのコミュニケーションを欠かしてしまうと、業務の進捗状況が把握しづらくなります。

  • 責任の所在が曖昧になってしまう場合がある

ヒエラルキー型のように上司や経営層が最終的な意思決定を行うわけではないため、社員それぞれが責任と自覚を持って行動しないと、責任の所在が曖昧になる場合があります。

ホラクラシー経営を成功させるためのポイント

メリット、デメリットの両面を見たところで、実際にホラクラシー経営を導入し、成功させるための3つのポイントを紹介します。

1.   情報はできるかぎりオープンにする

社員全員が意思決定権を持つためには、できるだけ多くの情報を知っていなければなりません。情報格差があると、意思決定の判断が難しくなるうえ、フラットな関係性を構築することもできなくなってしまいます。

2.   社員間のコミュニケーションを活発にする仕組みをつくる

意思決定のスピードを上げるためには、情報をオープンにすることに加え、プロジェクトの進捗状況を常に把握していることも必要です。社員間のコミュニケーションを欠かさず、活発にディスカッションを行うには、必要に応じてミーティングを重ねる、社内SNSを導入するなどの仕組みをつくることが重要です。

3.   細かいルール設定を行う

ホラクラシー経営は上下関係がないため、管理を行わないといった誤解があるかもしれません。しかし、組織として業務を進めていくには、必ず管理が必要です。ヒエラルキー型経営の場合、人が管理しますが、ホラクラシー経営はルールによって管理を行います。すべての情報をオープンにするというのもルールの1つですが、状況に応じてそのほかにもさまざまな細かいルールの設定を行わないと、業務がスムーズに進まなくなるリスクが生じます。

外部の力も活用し、最適な経営手法の選択を

これから企業として生き残っていくために重要なポイントとなる意思決定のスピードを上げ、効率的な経営を実現するための経営手法であるホラクラシー経営。しかし、導入してすぐにそれが実現するわけではありません。特に社員一人ひとりが主体性を持って行動するようになるには、それなりの期間が必要であり、意識改革も求められます。

また、内部だけではなく外部の知見を活用することもホラクラシー経営の成功に大きく影響します。特に人事面において、ホラクラシー経営を理解し、人材採用、育成を行える経験豊富な人材を置くことが欠かせません。パソナ顧問ネットワークでは組織づくり、人事課題、経営課題の解決に長けた人材も多く在籍しますので、導入を検討の際はぜひ、御相談ください。

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