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組織人事課題 2020.02.03

オープンイノベーションを実現させるために必要な組織つくりのポイント

海外では成功事例も増えているオープンイノベーション。しかし、日本では実施している企業もまだそれほど多くはないというのが現状です。この現状を打破し、オープンイノベーションを実現させるために必要なものの1つに「組織づくり」があります。オープンイノベーションを実施するには、「0から1」をつくり出すことが求められますが、これを実現できる人材の雇用、育成は簡単ではなく、そのため、組織づくりが難しいという問題が出てきます。そこで、今回はオープンイノベーションを実現させるために必須となる組織づくりのポイントについて考察していきます。

オープンイノベーションを実施するうえでの問題点

多くの業種で市場が成熟し、消費者の商品、サービスに求める価値が多様化している今、新しい商品、サービス開発をするには、自社だけの視点ではなく多様な視点が欠かせません。そこで注目されているのがオープンイノベーション。しかし、日本ではオープンイノベーションへの取り組み自体は増えつつあるものの、海外に比べるとまだまだ本格的に普及するまでには至っていません。

経済産業省が2019年4月に発表した「企業におけるオープンイノベーションの現状と課題、方策について」を見ると、2018年時点で、3年前と比べた外部連携数が「10%以上増加」と回答した企業はわずか20.9%。そして3年後(2021年)の外部連携数が「10%以上増加」することを予定している企業は31.1%です。また、外部リソースの活用機会が増加していると回答した企業(製造業)は35%で、同リポートでは、このデータから「研究開発投資を事業化・企業収益にうまくつなげられていない可能性が高い」という結論を導き出しています。さらに、「10年前と比べた企業のオープンイノベーションへの取り組み」については「ほとんど変わらない」、「後退している」と回答した企業は合わせて54.9%。これは、「活発化している」と回答した企業(45.1%)を10%近く上回る数字です。経済産業省ではこのリポートにおいて、企業におけるオープンイノベーションの課題として次の点を挙げています。

  • オープンイノベーションに本格的に取り組もうという姿勢を持った企業がまだ少ない
    生き残りをかけてでも、オープンイノベーションによって経営の在り方を変えていこうとする姿勢を持つ企業の数が海外に比べそれほど多くない。
  • 産学連携において、企業側が大学の機能・リソースを十分に活用できていない
    大学における研究者の高齢化、若手研究者数の縮小、大学財政の不安定化などの問題があり、理系人材などニーズの高い分野の専門人材、女性研究者の人材提供が十分に行われていない。産学連携の必要性については、企業、大学共にまだ意識改革がそれほど進んでおらず、実施体制が十分ではない。
  • ベンチャーエコシステムが構築される環境が整っていない
    起業する人材が依然として少ない。大企業での人材流動性も低いうえに、シードステージのマネー供給量がアメリカに比べて圧倒的に少ない状況が変わっていない。

オープンイノベーションを実施する際の組織づくりの問題点

大学、企業共に人材が不足しているうえに、オープンイノベーションへの意識が低いため、そのための環境を構築するのも困難といった現在の日本の状況。これが、いざオープンイノベーションを実施しようとなった際の組織づくりにも大きく影響を及ぼしています。具体的には次のような問題点が考えられます。

  • 「0から1」を実現するタイプの人材採用、育成が困難

企業としてオープンイノベーションを実施するうえで重要なことは、「0から1」をつくり出せる人材を採用する、もしくは育成することです。オープンイノベーションは、すでにエンドユーザーのニーズや課題、要件が顕在化しているものではなく、まだ顕在化していないニーズや課題を自ら見つけ出す必要があるからです。

しかし、前例がないものをつくり出すことのできる人材を採用するうえで何を基準にするのかは難しいところ。仮に社内にいる人材を育成しようにも、育成方法が定まっていないことなどから、メンバー選定の時点でつまずいてしまうケースが少なくありません。

  • 「0から1」を実現できる人材の評価方法・活用方法が分からない

過去に別の企業でオープンイノベーションを実現した人材を採用し、組織づくりができたとしても、大きな問題が2つ残ります。1つは、「0から1」を実現できる人材の評価が難しいことです。これまでオープンイノベーションを実施したことがない企業においては、当然ながらそれを実践する人材の評価軸がありません。そのため、仮にオープンイノベーションを実現できたとしても、どの程度の評価をすべきか分からない企業も多いようです。

また、もう1つの問題は、そうした人材をオープンイノベーション実施後にどういった業務で活用すればよいか分からない点です。通常の業務において「0から1」をつくり出すことはそう多くはありません。「0から1」をつくり出すことに特化した人材の場合、活躍できる場が限られてしまうこともオープンイノベーションの実施を妨げる要因となっています。

オープンイノベーションの実現に向けた組織づくりの取り組み事例

ここで、実際にオープンイノベーション実現に向けて組織づくりに取り組んでいる企業の事例をご紹介します。

外部人材の有効活用でオープンイノベーションの組織づくりを実現

2013年4月、ともに100年以上の歴史を持つ安藤建設と間組との合併で誕生した安藤ハザマでは、2019~2021年3月期における中期計画の基本方針として「イノベーションによる成長の実現」を掲げていました。ここで問題となったのが、「0から1」を実現できる人材の不足です。安藤ハザマで採用する外部人材は、これまで既存事業に関連した人材が中心で、「0から1」を実現できる人材の積極的な採用は行われていませんでした。そこで、新たに取った対策が「0から1」に強い人材との顧問契約です。

安藤ハザマ3,291では、パソナ顧問ネットワークを通じ、フリーランスの立場で活動するA氏と顧問契約を締結。A氏は3ヶ月の契約期間のなかで、次のような形で新規事業に関わりました。

  1. 課題へのアプローチ方法について安藤ハザマ様にフレームワークを提示
  2. 事業アイデアを安藤ハザマ様のメンバーに出してもらう
  3. 事業アイデアの評価軸を安藤ハザマ様のメンバーと議論する

これらのプロセスを経て、最終的には特定のスタートアップ企業と協業を検討する段階にまで進展。A氏のこれまでの知識、経験を最大限に活用し、最初の時点ではまったく考えつかなかったアイデアの発想に至ったのです。

詳しくはこちらをご参照ください。 株式会社安藤・間 2019.10.06 オープンイノベーションの火付け役として「顧問」を活用

外部人材の効果的な活用がオープンイノベーション成功のポイント

オープンイノベーションを成功させるには、それに適した組織づくりが欠かせません。しかし、オープンイノベーションに必須の「0から1」を実現するタイプの人材は、オープンイノベーション成功後に必ずしも活躍の場が残されているわけではありません。そのため、せっかくの優秀な人材を活用できなくなってしまうリスクがあります。

そこでおすすめしたいのが、短期間で「0から1」を実現することを可能にする外部人材をスポットで活用する方法です。パソナ顧問ネットワークでは、企業の要請に合わせて最適な人材を提供することが可能であり、コスト削減にも大きく貢献します。オープンイノベーションの組織づくりに悩まれている際は、ぜひ、パソナ顧問ネットワークにご相談されてみてはいかがでしょう。

パソナ顧問ネットワーク 

 

参考:

パソナ顧問ネットワークとは パソナ顧問ネットワークとは

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