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営業課題 2019.12.11

顧客の成功が自社の成功に!企業と顧客のあり方を変えるカスタマーサクセスの効果

2019年12月、日本で初めて「カスタマーサクセス」をテーマにしたカンファレンス、『Success4』が開催されます。これは経営者や組織のリーダーに向けられたもので、カスタマーサクセスという考え方を事業に取り入れて事業を大きく成長させたいビジネスパーソンが多く集まるそうです。デジタル時代にカスタマーサクセスの重要度が増すなかで、いかにしてカスタマーサクセスを成功させるのか。この課題への関心がますます高まりそうです。今回は、近年注目を浴びているカスタマーサクセスについて紹介します。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、ただ単に商品やサービスを購入してもらうことではありません。商品やサービスを購入した後、顧客が成功する(カスタマーがサクセスする)ことに価値を置く考え方です。顧客がビジネスにおいて成果を実現するために、商品やサービスの購入後、成果を最大化するサポートや能動的なアプローチを行います。今までは「いかに購入してもらうか」に主眼が置かれていましたが、カスタマーサクセスでは「いかに長く使い続けてもらうか」に重点を置いています。例えば、クラウド型の会計サービスなら、顧客がサービスを利用して会社の経理や確定申告を行えるだけではなく、顧客がビジネスに成功するような情報を発信することがカスタマーサクセスの1つの施策です。

カスタマーサクセスと似た言葉に「カスタマーサポート」がありますが、内容は異なります。カスタマーサポートは、顧客のクレームや問い合わせに対して、いかに的確に問題解決を行うかというアプローチです。顧客の不満をいかに解消するかがポイントです。顧客からのアクションに対するリアクションがカスタマサポートと言えるでしょう。それとは対照的に、カスタマーサクセスは、顧客に対して積極的にアプローチしていきます。例えば、動画配信サービスなら、顧客のリクエストに応えて動画のラインナップを増やすのではなく、顧客の視聴履歴から嗜好に合った動画を積極的にレコメンドし、新作を紹介していきます。顧客のライフスタイルに合わせて、いつでもどこでも動画が楽しめるように、パソコン、スマートフォン、タブレット端末など、あらゆるデジタルデバイスで動画を利用できるようにします。

カスタマーサクセスが必要な背景

カスタマーサクセスが重要視される背景として、デジタル社会の進歩とともにビジネスモデルが変化していることが挙げられます。デジタル社会が進歩する前のビジネスモデルは、あらゆる業界で売り切り型のモデルでした。このモデルは顧客にいかに商品やサービスを購入してもらうかがすべてです。ところがテクノロジーが進歩することで、ビジネスモデルはリテンションモデルへとシフトしていきました。リテンションとは、すでに商品を購入したことがある既存の顧客と企業の関係を維持していくことを目的としたマーケティングです。既存顧客のニーズを収集し、新製品や他のサービスなどを定期的に紹介することで、顧客との接点を維持します。既存顧客との関係を維持し、離反させないことが最大のポイントです。

 

売り切り型のビジネスモデルからリテンションモデルへとシフトしたのは、テクノロジーのおかげです。近年高速インターネットのインフラが整い、クラウドが一般化することによって、SaaSサービスが急激に社会に浸透していきました。SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、顧客が企業の開発したソフトウェアを購入するのではなく、企業が稼働させているソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスです。例えば、会計ソフトのfreeeやオンデマンドの動画配信を行うNetflixなどがこれにあたります。

SaaSサービスは、サービスの利用期間に対して料金を払うサブスクリプション型の課金システムを採用しています。「最初の1カ月は利用料無料」などのキャンペーンを打ち、ターゲットとなる顧客にメールアドレスやクレジットカード番号などの個人情報を登録してもらいます。無料で実際にサービスを利用してもらうことで、今後課金をしてでもサービスを使いたいかの判断を顧客に委ねます。

ここでカスタマーサクセスが重要になってきます。企業が提供するサービスに対して、顧客が成功体験を得ることで、今後もサービスを利用していきたいと思わせる必要があるのです。オンデマンドの動画配信サービスなら、無料期間のうちに見出したら止まらなくなるシリーズもののコンテンツを提供する、あるいは、ここでしか見ることのできない独占コンテンツを提供することで、顧客の解約を防ぐ。このように、顧客に対して積極的にアプローチすることで、長期的な信頼関係を築きます。顧客と契約した後に、どれだけ顧客に利益をもたらせるか、成果を出せるかがポイントです。

企業がカスタマーサクセスに取り組むことの効果

アイティクラウド株式会社の調査によれば、カスタマーサクセスに取り組んでいる企業へのアンケートにおいて、専任者または専業の部署の72.3%が「(カスタマーサクセスには)効果がある」と回答しています。兼業で取り組んでいる企業でも、57.1%が「効果がある」と回答しており、カスタマーサクセスに実際に取り組んでいる企業では、その効果が着実に現れていることがわかります。

次に、カスタマーサクセスを取り入れることで、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

サブスクリプションモデルにおいて継続率をあげる

前掲のように、カスタマーサクセスに注目が集まるようになった背景には、サブスクリプションモデルの台頭があります。企業がサービスを提供して月額課金で利益を上げるには、いかに長く、いかに多くの顧客にサービスを利用してもらえるかが重要です。カスタマーサクセスを導入すれば、顧客の成功体験のプライオリティーを上げることになりますので、顧客の満足度が上昇しやすくなります。結果的に、カスタマーサクセスが、高い継続率の実現に寄与することになります。

自社の関連商品や商品のアップグレードに誘導しやすい

顧客がサービスを利用しているうちに、よりグレードの高いものに変更する必要に迫られることがあります。カスタマーサクセスによって企業と顧客との関係が築かれていれば、サービスをアップグレードする際に、そのまま自社製品を使うように誘導しやすくなります。

例えば、イラストを作成するソフトウェアを利用している顧客が、動画編集をしなければならなくなった場合、自社で提供しているソフトウェアに誘導できます。このようなクロスセルやアップセルに導くときに、カスタマーサクセスは大きな力を発揮します。使い慣れたユーザインターフェースや操作性を維持したまま、別のソフトウェアや高機能なサービスを利用できることは、顧客にとっても大きなメリットといえるからです。

顧客生涯価値(LTV)を向上させることができる

上記のように解約率を抑えて継続的にサービスを利用してくれる顧客を抱え、効果的にクロスセルやアップセルを行うことができれば、顧客生涯価値を向上させることが可能です。ただし、継続的にサービスを利用してもらうためには、そのサービスや企業自体を顧客に好きになってもらうための工夫が必要です。

顧客の成功が企業の成功になる

テクノロジーの進化とそれに伴うビジネスモデルの変化によって、企業と顧客のあり方も変わり続けています。企業は単に商品やサービスを顧客に提供するだけではなく、顧客がどのように自社の商品やサービスを利用すれば目標達成できるかを共に考える時代になってきました。カスタマーサクセスの考え方を学び、自社がどれだけ顧客の役に立っているかを再考してみましょう。

 

参考:

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