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経営課題 2019.12.04

生産性を向上させて日本経済を強くする!働き方改革とは何か

日本マーケティングリサーチ機構が行った「働き方改革に関する意識調査」(2019年9月30日発表)によると、「働き方改革というワードを聞いたことはありますか?」という質問に対して、85.96%が「はい」と回答しています。「働き方改革」の言葉は、広く知れ渡り、多くの人に認知されているようです。

ところが、「働き方改革でどう変わるか内容を知っていますか?」という質問に対しては、「完璧に理解している」が6.93%、「だいたい理解している」が42.82%でした。約半数の人々が働き方改革の内容について理解していると考えているようです。裏を返せば、約半数の人々は「働き方改革」の言葉を知っているけれど、内容まではよく知らないということになります。このような調査を踏まえ、今回は政府が推進する働き方改革の目的と概要についてご紹介します。また、働き方改革でポイントとなる副業やダイバーシティについても併せて考察します。

働き方改革の目的

現在の日本は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児・介護と仕事の両立といった働き方のニーズの多様化など、さまざまな課題があります。そうしたなか、労働者が最大限に能力を発揮できる職場環境が求められています。「働き方改革」は、多様な働き方を自由に選べる社会を実現することを目的としています。

労働者にとって働きやすい環境を整えることは、労働者の生産性の向上やQOL(Quality of Life:クオリティオブライフ)に直結します。結果的に、企業は優秀な労働力を確保し、労働者の高いパフォーマンスを享受できます。

働き方改革に関連する法律は?

働き方改革には、柱となる3つの関連法案があります。働き方改革によって、具体的にどのような規制や法律の改正があるのかを見てみましょう。

時間外労働の上限規制

時間外労働に関しては、上限規制が導入されます。残業が可能である時間は、原則として1カ月につき45時間まで。年間では360時間までと決められています。臨時的な特別な事情があって労使との合意がある場合でも年間720時間以内にしなければなりません。1カ月につき45時間を超える残業をできるのは、年間で6回までです。これらの規制に違反した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。また、この規制は大企業と中小企業では施行のタイミングが異なるので注意が必要です。大企業では2019年4月から導入されていますが、中小企業については2020年4月から施行されます。

年次有給休暇の時季指定

労働基準法が改正されたことで、使用者は法律で定められた年間の有給休暇付与日数が10日以上のすべての労働者に、1年間に5日間の年次有給休暇を取得させることが義務付けられています。年次有給休暇が与えられる対象については、正社員、パートタイム、アルバイトなどの区別はありません。6カ月以上継続して雇用されていること、すべての労働日の8割以上を出勤していることが条件です。使用者は、年次有給休暇を取得させるタイミングについては、労働者の意向を尊重するように努力しなければなりません。これらの規定は、2019年4月から導入されています。

同一労働同一賃金

正規雇用労働者と非正規雇用労働者との待遇の差が社会問題になりました。例えば、同じ職場で同様の仕事内容であるにもかかわらず、雇用形態によって賃金格差がある、福利厚生に違いがあるといった問題です。このような現状を是正するために、合理的な根拠のない待遇差は禁止になります。非正規雇用労働者から求めがあった場合は、待遇差の内容や理由について説明をしなければなりません。さらに、パートタイム労働法が適用される対象に、有期雇用労働者も含まれることになりました。これらの規定は2020年4月から施行されます。ただし、中小企業においては、パートタイム・有期雇用労働法が適用されるのは、2021年4月1日からです。

多様な働き方が社員の生産性を上げる

働き方改革で変化するのは、関連法案だけではありません。副業やダイバーシティなど、労働に関する幅広い選択肢や多様な働き方を推進する意識改革が進められています。副業やダイバーシティをキーワードとして、働き方にどんな変化があるかを紹介します。

副業

副業は、労働者にも企業にも多くのメリットをもたらします。副業を禁止していた一般企業でも、働き方改革の流れを受けて、解禁する動きが出ています。今後、パラレルワーカーとして生計を立てることがより一般的になっていくことが予想されます。

副業をすることで労働者が得られるメリットとしては、収入増、新たなスキルの獲得、自己実現などが挙げられます。一方で、就業時間が長くなるほか業務の幅も広がるため、より一層厳しい自己管理能力が求められたり、秘密保持義務・競業避止義務も意識しなくてはならない等、注意すべき点も多々あります。

企業が受けるメリットとしては、労働者が自主的にスキルアップや知識習得に努める点が挙げられます。場合によっては企業研修よりも実践的で、汎用性のある能力を養成することができ、現場の生産性が向上する可能性があります。また、研修にかかるコストの節約にもつながるでしょう。さらに、こうした労働者を通じて新たな人脈や事業機会にめぐりあう可能性もあります。一方で、従業員の健康管理、秘密保持義務、競業避止義務等についての対策が必要になるなど、注意すべき点も数多くあります。顧客情報やその他の社内情報などの重要な機密事項を守るために、情報漏洩やコンプライアンス違反に対する措置については、あらかじめ詰めておくことが必要です。

ダイバーシティ

ダイバーシティ(Diversity)は「多様性」という意味を持つ言葉です。ビジネスにおいては、性別、年齢、国籍、人種、宗教などの枠を超え、多様な人材を積極的に活用する考え方を指します。この考え方を取り入れることで、組織の同質性が下がり、生産性の向上が期待できます。

ダイバーシティの代表的なものの1つに、企業において女性管理職を増やす動きがあります。これは、女性へ

のサポートを出産、子育てに関するものにとどめず、積極的に管理職や幹部に登用してビジネスで活躍してもらおうという発想によるものです。例えば、大手製菓会社では、女性管理職の登用率を2010年から2018年の間に5.9%から26.4%に引き上げ、2020年には30%を目標として、女性の活躍を推進中です。そのほかにもさまざまな企業が近年女性管理職を積極登用しています。

性別だけではなく、職場における年齢も多様化しています。社会の高齢化が既定路線である日本では、エイジ・ダイバーシティが大きなポイントです。2015年には高年齢者等雇用安定法が改正され、65歳までの就労を希望するすべての労働者を65歳まで雇用することが義務付けられています。身体が動く間は働きたいと考える人にとって、エイジ・ダイバーシティは収入面のみならず、生きがいや健康という面でも重要な意味があります。そして企業の側も、高齢者のほか、女性、外国人労働者、障害者、LGBT(性的少数者)など、多様な人材を導入することでさまざまな課題の解決につながるケースがあります。ビジネスで求められる知識やノウハウが多様化する今の時代には、自社の社員にはない経験を持つ人材を柔軟に取り入れることが成功の1つの鍵とも言えるでしょう。

働き方改革が日本経済を強くする

少子高齢化が進む日本では、「労働者を増やす」あるいは「労働生産性を向上させる」施策が必要です。労働者一人ひとりの働きやすさが、日本経済を強くします。そして経済が活性化することで、企業にとってもビジネスを成長させやすい環境が生まれます。働き方改革についての理解を深め、自社における働き方の見直し、改善を進めていきましょう。

 

参考:

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