BUSINESS COLUMNビジネスコラム

営業課題 2019.12.04

新たなビジネスチャンスとなるサブスクリプション型ビジネスのメリット

HuluやNetflixといった動画配信、SpotifyやApple Musicといった音楽配信など、サブスクリプション型ビジネスというとエンターテインメント系ばかりが思い浮かぶかもしれません。しかし、実際にはファッション、家電、車など密接に日常生活と関わるものを対象としたさまざまなサービスでサブスクリプション型ビジネスが存在しています。そこで、今回は新しいビジネスチャンスを生み出す可能性も高いサブスクリプション型ビジネスのメリットを中心に、成功に導くためのポイントを考察していきます。

サブスクリプション型ビジネスが注目される背景

サブスクリプション型ビジネスとは、消費者が製品やサービスを利用する期間や利用量に応じて対価を支払うビジネスモデルです。冒頭で触れたようなHuluやSpotifyであれば、契約期間中は登録されている動画、音楽を何回でも視聴することが可能です。

一定の対価を支払うことでサービスを受けることができるビジネスモデルなら、これまでにも「定額制」と呼ばれるものがありました。食材の定期配達、雑誌の定期購読などがこれに該当します。では、このように以前から存在するビジネスモデルがなぜ最近になって注目を浴びるようになったのか? その理由としては消費者の志向が「所有」から「利用」に移行しつつあることが考えられます。また、従来の定額制は、毎月決まったもの、もしくは企業側が選択したものの提供を受けるというスタイルも多いのに対し、「サブスクリプション」と呼ばれるサービスは、消費者側が好きなものを選択できるのが一般的です。

もちろん、従来の定額制でもスマートフォンのパケット代やスポーツクラブの会費など所有ではなく利用に対してお金を払う場合もあります。また、ビデオレンタルのように定額で好きなものを自由に選択できるものもあり、定額制とサブスクリプションを明確に分けることはできません。

しかし、サブスクリプション型のビジネスは、所有から利用へという消費者の志向の変化に合ったサービスであることに加え、すべてを購入すれば高額になってしまうものでも、リーゾナブルな価格でさまざまな商品、サービスを自由に選択できる楽しみを味わえる傾向がより強くなっています。従来の定額制のコンセプトをさらに一歩進めて顧客満足度の向上を優先したものが多いことが特徴と言えるでしょう。

サブスクリプション型ビジネスのメリットとデメリット

企業側の都合優先ではなく、消費者側の都合、志向に合わせた形でサービスの提供を行うサブスクリプション型ビジネスを導入することで生まれるメリット、デメリットは次のとおりです。

サブスクリプション型ビジネスのメリット

  • 通常購入すれば高価なものでも低価格で始めることができるため消費者の登録障壁を下げることができる

定額制は基本的に定価での購入であることが多く、消費者側から見ると毎月自分から購入しに行く手間が省けることが大きなメリットです。サブスクリプションはそれに加え、例えば音楽配信の場合、普通に購入すれば1枚2,000~3,000円のCDアルバムを何枚でも楽しむことができます。そのため、登録の障壁を下げることが可能です。

  • 消費者の利用状況のデータが入手でき、改善のヒントになる

サービスの登録をした消費者はそれぞれ自分の好みでこれを利用します。企業側が決まったものを届けるわけではないため、どういった商品(サービス)に人気があるのかが一目瞭然です。そのため、利用状況のデータを見て、常に満足度を高めるための改善が行えます。

  • 提供するものによりこれまでにない新たなサービスとして先行者優位のメリットを得られる

ほんの数年前まで、車や家電を所有せずに利用することがビジネスとして成立すると考える方は少なかったのでは? そう考えれば、現在はサブスクリプションで提供していないものであっても、アイデア1つで新たなサービスとしてビジネス化できる可能性も十分にあると言えます。

サブスクリプション型ビジネスのデメリット

  • ある程度の利用者数を集めないと利益を出すことが困難

通常の価格よりも安く提供することが基本となるため、ある程度の利用者数を集めないと利益を出すことが難しく、ビジネスとして継続することができなくなります。

  • 解約を防ぐため常に機能改善を続ける必要がある

上記の理由から、利用者が解約してしまうことは従来の定額制以上に大きなダメージです。そのため、常に新たな施策を取り入れるとともに、利用者が使いやすくなるよう商品(サービス)の機能改善を続けていく必要があり、手間とコストがかかります。

サブスクリプション型ビジネス事例と導入の注意点

次に実際にサブスクリプション型ビジネスを行っている企業の事例を紹介しつつ、これから新たに導入するうえで注意すべきポイントについて見ていきます。

  • KiNTO

アクア、プリウス、クラウンのほか、ヴェルファイア、アルファードなどのワンボックスタイプまで、月々定額の利用料で乗ることができるサブスクリプション型サービス「KiNTO」。月額利用料(税込)の例はRAIZEが39,820円、プリウスが50,710円、クラウンが95,700円などです(※)。車のサブスクリプション型ビジネスの大きな特徴は、定期メンテナンスや故障対応はもちろん、自動車税や自動車保険代も月額のなかに含まれている点です。KiNTOも月額料金の他にかかるのは、ガソリン代や駐車場代、消耗品費程度。レクサスを3年間で6台乗り換えることができるプランなど大きなセールスポイントもあります。

※利用料はすべて、2019年11月22日現在の料金。

  • MECHAKARI

幅広い年代のユーザーにさまざまなタイプの女性向けファッションをサブスクリプションでレンタルできる「MECHAKARI」。月額5,800円で最新トレンドの洋服(すべて新品)を利用できるうえ、気に入ったものは割引価格で買い取ることもできます。あるいは、60日間借り続けてそのまま自分のものにすることも可能です。

これらのサービスが人気となっている大きな理由は、購入では得ることのできないメリットを提供している点にあります。その時々のトレンドが利用できるうえ、いつまでも自宅に残しておく必要がない、通常であれば負担となる自動車保険や税金納付の手間がかからないなど、利用者の「こうだったらいいな」という理想を現実のものとして提供しています。こうした点が、サブスクリプション型ビジネスを導入するうえで、もっとも重要なポイントであると言えるでしょう。

そのためには、企業側の都合で提供したい商品やサービスを決めるのではなく、常に利用者が欲しがるもの、求めているものを提供していくという姿勢を持つことが求められます。また、すべての商品がサブスクリプションに適しているわけではありません。常に消費者の動向や意見に鑑みたうえで、サブスクリプションのサービスを改善する、もしくはサブスクリプションを導入しないといった判断を行うことも重要です。

サブスクリプション型ビジネス成功のポイントは消費者の満足度向上を第一に考えること

現在のサブスクリプション型ビジネスが単なる定額制と大きく違うのは、消費者の志向の変化に的確に対応しようとしている点です。また、車やファッションなどこれまでは購入することが当たり前であったものが定額で好きなものを自由に選べるようになるなど、アイデア1つで既存の商品であっても競合との差別化を図ることも可能な点です。

サブスクリプション型ビジネスで難しいのは、最初の集客と、集客した利用者の継続率を高い状態で保つことですが、これを実現するには、これまでにないアイデアが求められます。しかし、それ以上に重要なポイントは、常に消費者の声に耳を傾け、現状のサービス改善を怠らずに続けていくことです。満足度の向上を常に意識し、自社のファンを増やしていくことが、結果として、サブスクリプションの継続率の維持につながりやすくなります。

 

参考:

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